もう10年ほど前になりますが、白生地を絞って染めた着物です。
鳴海の絞りの先生に指導していただきながら、まずは山並みのように
一反を絞り、しぼった巾が円筒になるくらいの直系のビニールの紐の束をつくり
其処に巻き上げ絞りをして規則的にビニールを巻いて絞り上げ、
本藍でそめました。
段染めになっているのは、ビニールをまいたところが藍が濃くそまらないからです。
上手く説明できませんが、三ヶ月くらいかかって、一反をしぼりました。
草木染めをはじめてからは、20年近くなりますが、不勉強で
絹もので一反しぼったのはこの一枚だけですが
だいじにだいじに着ています。
いまではもう一反を絞るほどの根気がないですから貴重な一品です。
浴衣などは自分のデザインで絞って、染めたりしてますが
大きな作品はできなくなりました。
この着物を着るたびに、教えてくださった絞りの先生を思い出します。
私の母と同じ歳でしたのでよけいに、お元気でいてほしいと思います。